服部愛咲さん
防衛医科大学校 医学科 合格
- 得意な科目:
- 英語 生物
- 苦手な科目:
- 数学
- 将来の夢:
- 患者さんやその家族の人生までもを包括的に診て心に寄り添うことのできる医師になること
NPO法人を設立して子どもシェルターを運営すること - 1日の平均勉強時間:
- バイトをしているとき 8時間
バイトをやめたあと 10~14時間 - 受験を1文字で表すと:
- 省
- 高校時代に1番夢中になったことは:
- SSの研究 自由研究
- 合格を確認した瞬間の気持ちは:
- ほっとしました

私は浪人が決まった高3の2月に受験舎に入塾し、2年間お世話になりました。 高3の夏頃に「自治医大 合格体験記」で調べていたところ、たまたま和久井さんと鈴木さんの合格体験記が目に留まりました。
この塾が宇都宮にあると知った時点で「浪人したらここに行くしかない」と心に決め、実際に浪人が決まった2月に面談と体験授業を申し込みました。
面談する前はこの塾の素晴らしさを語られるのかなと思っていましたが、終始私の学習相談にのっていただき、初めて会ったのにすごく親身になって話を聞いてくれたので良い意味で拍子抜けしました。
またあの時私が見せた模試の結果は医学部志望者とは思えない散々なものでしたが、この成績では無理だとは一切言わずどういう勉強をしていけば良いかをアドバイスしてくれたので良いなと思いました。
また私が中学生の時に体験に行った塾が、掴んだら離さないというタイプだったせいか、受験舎は「来い!」って感じが全くなく、私でも入っていいのかなと逆に不安になりました(笑)体験授業は数学を受けましたが、すごくわかりやすかったのと平山先生が優しそうだったのでやっぱりここに行こうと思いました。

他の大手の予備校も友達の大半が行くので考えてはみましたが、私は新しいテキストをやるよりも学校で配られた教材をまず完璧にする必要があると思ったことや志望校が決まっていたので集団授業では無駄が多いと考えたこと、わからない時にすぐに質問できて解決できる環境が欲しかったことなどを理由に受験舎に決めました。
自分のレベルや志望校にあった授業を受けられるところや、鈴木先生が医学部受験に精通しているところ、すぐに志望校の分析と対策を練ってくれるところ、講習の時に実際に医学部に合格された卒業生の方からアドバイスをもらえるところが良いなと思いました。
自分で解いて、分からないところをすぐに教えてもらうというサイクルは非常に効率的でした。 質問できる環境があるとどの教科も、授業時間を無駄にしないようにそれに向けて計画的に演習を進められたし、これは覚えるしかないだろうと諦めていたところもなんでこうなるのかと聞くことで、本質から理解でき、丸暗記をする箇所が大幅に減りました。
先生方が1人1人をよく把握してそれに合わせてくれるので、塾に行くのが面倒だと思ったことも、悲しい気持ちで帰宅することも一度もありませんでした。進路や家庭のことで悩んだときや勉強の進め方に困ったときもすぐに相談して調整できたので、精神的に不安定な時期もすぐに持ち直すことができたし、無駄のない勉強をすることができました。
苦手な単元を重点的にできたり、防衛医大など秋に試験があっても、それに向けて過去問の演習時間が十分に確保できたりしたところは本当に良かったです。
自治医大のみ受験しました。自治医大に賭けていたのでセンターは出願していません。
私は自分で生活費や大学に進学するための学費を貯めなければいけなかったので、3月の高校卒業と同時に、小学生から高校生の宿題を見たり色々な相談にのったりするバイトを始め、10月の2週目まで、週5日、18時から22時までの4時間働きました。 バイトのある日は家で9時ごろから勉強し、その後バイトに行っていたので、8時間ぐらいしか勉強していなかったと思います。
またその頃は週2日塾で数学と英語を受講し、13時から自習室で勉強し授業が終わったら帰るという今じゃ考えられないくらい緩い生活をしていました。 バイトを辞めた後は毎日塾に来て、1階の自習室で13時から22時まで勉強していました。
正直、もう1年浪人するのか就職するのかで1か月悩みました。1浪して、勉強しながら生活費や学費を稼ぐことがいかに大変かを思い知ったことや、高校からも公務員試験を受けて一旦就職することを勧められていたので、現実的に考えて私は医者になることを諦めないといけないのだろうと思っていました。

ただ何をするにしても当面のお金が必要だったので、自治医大の1次試験に落ちた3日後から、自治医大病院の清潔エリアで清掃のバイトを始めました。患者ならまだしも清掃員として第1志望の大学に侵入することになるとは、夢にも思っていませんでした。
たまたま私がアルバイトに向かった日が自治医大の2次試験の日で、気がつくと試験を受けに行く受験生と同じ道を歩いていました。途中で私は道を曲がりアルバイトに向かいましたが、受験生はそのまま道を真っ直ぐ進み受験会場へ。「途中までは同じ道を歩いていたのに、なんだか人生の別れ道みたいだな。」と、とても悲しい気持ちになったのを覚えています。
でも、このアルバイトでの経験があったからこそ私は勉強を続けることができたし、その結果合格できたと思います。惨めで悔しい思いをたくさんしましたが、唇を噛みしめて頑張りました。そんなことを繰り返しているうちに、この気持ちは来年自治医大に入って医者になることでしか晴らせないだろうと思うようになったので、2月の終わり頃また塾に来て、平山先生と話してもう1度医学部に向けて頑張ることにしました。
2月から9月の1週目まで、週5日、朝の8時から12時半まで働き、その後塾に来て、14時から22時まで勉強する生活をしていました。バイトを辞めてからは、午前中は図書館や駅ビル、どちらもやっていない日は駅のホームで3~4時間勉強してから、塾に来て22時まで勉強し、23時頃家に帰って来て、ご飯を食べながら、弟妹が分からないところを持って来るのでそれを教えて、2時頃寝ていました。
このバイトは体ひとつあればできるし、覚えることも少ないですが、時給はほぼ県の最低賃金です。でも普段は入れない病院の内部に入れるし、目に映るものが全て考える材料となり、自分の人生を省みるきっかけになります。私はある患者さんとそのご家族のことを思い出してずっとがんばってくることができました。
もしも浪人生でバイトをしないといけないという人がいたら、午前中に働くことをおすすめします。1日4時間勤務が勉強との両立に最適な時間かと思います。勤務時間が一定であるか、交通費が出るかは確認し、また自分と同世代が働いているところは避けるべきだと思います。私は自宅と塾の真ん中の駅が自治医大だったので、塾までの電車の定期が半分の値段で済みました。あと、おそらく思ったよりも稼げないと思います(笑)
基本的に伊藤先生にもらったプリントを中心に進めました。浪人して自分でやったのは単語を3冊とネクステぐらいです。
単語は本を買ったその日のうちに半日かけてすべてのページに目を通し、知らない単語に付箋を貼って、その後はバイトや塾に行く際に歩きながら素早く見ることを意識していました。単語は意味を大まかなイメージで覚えて、訳すときにその文脈にぴったりくる日本語を自分のもっている言葉の中から探すようにしていました。覚えにくい単語は語源を調べたり英英辞典を引いたりしていました。
長文は、最初は自分で勝手に想像して良い感じの訳にして満足していましたが、先生に構造を把握して論理的に解くことを叩き込まれたおかげで複雑な構造の文にも騙されなくなりました。もらうプリントを解いて、先生の解説をよく理解した上で復習するということしかしていませんでしたが、いつのまにか得点源となり、防衛医大の記述式の問題も自治医大の問題も全て楽しく読んでくることができました。

解き終わったらいつでも添削をしてくれるので好きなだけ進めることができて楽しかったし、先生が英文の背景知識もたくさん教えてくれたので同じ分野の問題が出た時は他の人よりも優位に立てていたと思います。
自治医大の問題は2浪目に久しぶりに解いてみたら思うように得点できずにかなり落ち込んだ記憶があるので、やはり慣れが必要かと思います。自治医大の問題を解くときは国立2次の問題とは意識的に読み方を変えていました。
伊藤先生に教わった解き方で演習を重ね、間違った問題に対し、なぜこの選択肢ではだめなのかをよく考えて、その都度、先生に解き方を確認していました。何年分も解いていると間違えの選択肢のパターンが見えてきますが、それでも選びにくい選択肢は教わったルールに従って解くようにして最終的に20点以上で安定するようになりました。
防衛医大の問題は択一式、記述式ともに専門的な単語が多かったので、「リンガメタリカ」と「シス単メディカル」をざっと覚え、9月の中頃から過去問に取り掛かりました。択一式の問題は自治医大の問題に比べて大分解きやすいと感じたので15分以内で解き切ることを意識して、満点を狙っていました。
記述式の問題はジョークや風刺が効いた話が多く、理解できればとても楽しく読めますがその面白さに気づけないと大幅に失点する可能性があったので、その文章がよく理解できなかった時でも前後関係から考え形式的に解く方法や、記述式で頻出問題である、段落を並べ替えたりタイトルを付けたりする問題を解く際に着眼するポイントを伊藤先生に教わり重点的に対策しました。過去問を解くうちに問われやすい部分が分かって来て、徐々にコツをつかんでいくことができました。
数学は苦手という可愛い言葉では言い表せないくらいできません。他の教科よりも偏差値が10以上低かったので、自治医大入試の本番も15点を目標にしていました。
私の場合、自分の心がわくわくする問題を13個選んで先に解き、残りは時間がかかりそうだけど解けそうなものを、最後は勘を研ぎ澄ませて、とりあえず15個ぐらい解けたと思ったら良しとしていました。これが本番の安心材料となり数学の出来を引きずらずに理科や英語の問題に取り組むことができました。
防衛医大の数学は私からすると難易度が高すぎて過去問を解くこと自体苦痛でした。特に記述式の問題は私の「これだけやっているんだから少しは解けるようになっただろう」という淡い期待を一瞬にして打ち砕いてくる問題ばかりで1人で解いていると辛いので、試験の直前は毎日授業を入れてもらっていました。
択一式の問題は短い時間で問題を選別して解くことや数Ⅲの演習ができる点で自治医大対策にもなると思ったので、すらすら解けるようになるまで7年分を繰り返し解きました。
高校の時はやみくもに問題を解いて分からない問題はすぐに答えを見て解法を丸暗記したり、学校配布の問題集には解説がついてなかったのであやふやなままで終わってしまったりすることが多々ありました。そのため、1問に粘り強く向き合う姿勢も身に付いていなかったし、何でこうするのかは分からないけど解答がそうしているから私もそうするという問題がたくさんありました。
塾では、ⅠAⅡBは塾でもらったa問題を何周もして、数Ⅲはもらったプリントとフォーカスゴールド、5月ごろからセンター型のプリントを毎週もらって丸付けをしてもらい、1週間で全範囲に触れることを意識していました。
先生に丸付けをしてもらうことで毎回緊張感をもって演習することができたし、すぐに答えを見られないので自分で導き出せるまで自分の力で考えられるようになりました。また模試で出来なかった単元はその都度プリントをもらって重点的に解くようにしていました。

授業中は「意味わからない」とか「できない」など文句ばかり言っていましたが、平山先生にこの問題を見た時に思いついていないといけないことや、どのパターンの問題か、なぜこの式が成り立つのかを毎回教えてもらうことで、発想の仕方を少しずつ矯正していくことができました。
また私は解答を見ても「何で急にこれが出てくるんだ」とか「どうしてこんな方法思いつくんだ」とか思っていましたが、塾では分からない問題を先生が目の前で解いてくれて、解答には書かれない、解答を書く前の思考の段階を見せてもらえるので、それを真似することで、自分で手を動かして考えられるようになりました。平山先生には授業が始まる前や終わった後に質問に行ってもいつも丁寧に教えていただき、その積み重ねで力をつけることができました。
高校卒業後に成績が1番伸びたのが化学です。高校の時は無機や有機でなんとか点数を取っていましたが理論分野は壊滅的でした。浪人してからもずっとセミナーをやり続け、たまに化重(重要問題集)で補うという形で進めました。
化学は本質を理解した上で問題集を繰り返すことが全てだと思います。私はセミナーの最初のまとめのページや資料集から、実験の状態やこのグラフが表していること、この値はどうやって決まっているのかなど、細かいところまで1つ1つ先生に質問していました。
私は理論化学の概念が理解しづらかったりイメージが浮かばなかったりする箇所がいくつかありましたが、教科書には書かれない電子や分子の動きや実験の段階など1から先生に説明してもらうことで、すんなり理解することができ、忘れることがなくなりました。
本質をきちんと理解した上でセミナーのお気に入りの問題を何周もしたところ、化重のA問題はすらすら解けるようになり、徐々に力がついてきていることを感じました。B問題は一通り解きましたが、単元ごとにここは必要ないだろうとかセミナーの方がいい問題が集まっていると感じたところはそれほど繰り返さず、日々の学習の中では汎用性の高い問題に触れること意識していました。
先生はどんなに難しい問題でも基礎に立ち返って説明してくれるので、1問で基礎の復習から発展まで多くを学ぶことができました。毎回の授業でどこが分かっていないかを明確にでき、そこを重点的に勉強できたので効率良くレベルアップを図れたと思います。

また先生の授業の中で先生がしてくれる話が面白くて化学の時間は笑いっぱなしでした。私は主にセミナーでの演習と教科書と資料集の読み込みしかしていませんが、基本的な問題が多く出題される自治医大はもちろん、くせのある防衛医大の問題にも対応できました。
一貫してやっていたのは教科書の読み込みです。自治医大は正解の文の個数を選ばせる問題がよく出ますがその中の一文に悩むことがどれだけ恐ろしいかを重々理解していました。そのため、この文が選択肢の中にあったら自信を持って選ぶことができるかを理解の基準とし、その文が選択肢にあることを想定して文末を変えてみるなどして何度も何度も読みました。
3月から4月にかけては、教科書の読み込みとリードライトノートを、5月から8月くらいまでは自治医大とセンターの過去問を交互に解いていき、それを3時間かけて丁寧に復習するようにしていました。8月後半から防衛医大の問題に取り掛かりましたが、上滑りを起こしているような気がしたので、一旦止めて先生と相談してリードαを1周し、間違えた問題を繰り返しました。
最終確認する物は教科書と決めていたので、問題を解いて間違えたところや模試の解答で上手に100字でまとまっていると思ったところはすべて教科書に書き込みました。教科書の図やその色分けの意味、文中の表現で気になったことはすべて質問しました。
基本的な知識が抜けているところはそれを毎回の授業で補ってもらい、深い理解が求められるところは大学の教科書を使って説明してもらいました。鈴木先生はなぜそうなるのかの理屈を説明してくれるので、覚えていなくても、本番の時に考えれば答えを導き出せることがほとんどでした。
また一を聞いたら十を返してくれる先生なので、勉強のことは勿論、それ以外のことを相談しても毎回予想以上の答えをもらうことができました。毎回様々な分野の話をしてくれるのでそれも楽しかったし、生物の質問をしたらそこから哲学の話に結びつくなど、私の頭の中の点でばらばらだった知識がどんどんつながっていく感覚がありました。

自治医大の前は、遺伝の問題などの計算問題は先生に全て質問して、まずスタンダードなやり方と次に自治医大などのマーク試験の時にすぐに答えが出るやり方を教わり、本番の時間短縮につながりました。
鈴木先生に私の書く文章が自治医大向きだと褒めてもらい嬉しかったので書くことがもっと好きになりました。小論文は防衛医大の2次試験の前と自治医大の2次試験の前に大量に書いて全て添削してもらっていました。その課題文に関連する知識や書くときに使えるような発想を教わり、その上で練習していました。
私は医療系の小論文向きの人生経験がたくさんあったのでその時に自分がどう思ったかを思い出し、経験がないことでもその環境に自分が置かれた時、世界はどう見えるか、日常で何を思うかに連想を及ばせ、伝えたいことを心を込めて書くようにしていました。
自治医大の2次試験本番は時間内に書き終えられるかが一番心配でしたが、どんな文章が来ても自治医大の求める方向性で書けるように練習してきたのと、始まる前の休み時間に使いたいフレーズや持っていきたい結論、自分の生き方の軸としているものを書き連ねていたので、試験が始まったらすぐに小論モードに入ることができ、言葉が次々と浮かんできて、30分も余りました。
残りの時間は何度も読み直してより美しい表現に変えて、うまく書けたと自画自賛しまくっていました。鈴木先生にも読んでほしかったです(笑)
来年から自治医大は小論文が英数の記述試験に変わるそうですが、大部分の医学部は小論文が課されると思うので、大学ごとの求める方向性や文体などは一通り分析してもらい、他の人と差を付けられる部分を教えてもらった上で何度も練習しておくのがいいと思います。

防衛医大の小論文に関しては、まず過去問を集めるのが難しいと思います。私は担当の自衛官の方から過去問を1年分もらって、あとは鈴木先生に似たような大学の過去問を選んでもらい対策をしていました。
2次試験に行った際に、東京や千葉の受験生は小論文の過去問や面接で聞かれたことが書かれた冊子を持っていましたが、栃木県の受験生は2次試験まで進む人が少なく情報がそれほど得られないので、本番前に少し不安になりました。
それでも、過去問や実際受けてみた感想として、防衛医大の小論文は典型的な問題で、時間的にも余裕があると思うので、一般的な対策で十分対応できると思います。
防衛医大に関して、私がやっていたことや感じたことを参考になればと思い書いておきます。
防衛医大は10月末に試験があるため、私はそこまでに一通り完成させることを目標にして計画を立てていました。バイトを辞めてからは1日中勉強に時間を使うことが出来るようになったので、択一式は12年分、記述式は、数学に比べて得点が期待できる理科は9年分、得意な英語と国語は4年分、やりたくても進まなかった数学は3年分解きました。どの教科もつまずいた問題は授業ですべて質問して、理解できるまで教えてもらいました。
国語は、択一式の国語を解く中で内容が全く頭に入ってこない年もあったので、先生にその時の対処法や選択肢の切り方をその都度教わり、その上で演習をしていました。 また択一式の解答記入にはボールペンを使わなければならず、マーク記入も特有のルールがあるので、対策をしている時から練習して慣れておいた方がいいと思います。
ネットで様々な意見が飛び交っていますが、入試の出来具合が私の手ごたえ的に67%くらいなので、択一式のボーダーが70%という説は信憑性があるかもしれません。択一式で一定の点数を取らないと記述式は採点されませんが、択一式の手ごたえがどうであれ、「どうせ採点されないんだろうな」とは思わずに最後まで諦めないで解いてほしいです。
私は記述式の英語と生物と国語は人並みにはできただろうと思いましたが、化学は得点源であった無機で失敗し、数学は出来た感じがなく、戦う相手のレベルの高さからも不合格を確信していましたが、幸運にも拾ってもらえました。記述式の解答欄をとにかく埋めようともがいたことで、部分点が積み重なってなんとか合格点にこぎつけたのだと思っています。
2次試験は集合時間が早いですが、身体検査は高校で実施するものとほぼ同じで、面接も終始和やかな雰囲気でした。私の場合、自治医大は筆記試験、県庁での個人面接、大学での個人面接、集団討論、小論文と最後まで残り続ける必要があり、常に「この中から5人しか受からない」という意識があったせいか一瞬も気が抜けず、あまり良い思い出はありませんが、防衛医大の2次試験は友達もたくさんできて楽しかった思い出しかありません。防衛医大の一次通過は今後の試験を受ける上での自信となると思うのでぜひ頑張ってほしいです。
2浪を終えた私が、入学当初に戻ってまた1から勉強できるとしたら、基礎事項を確実にし、模試の解き直しを徹底します。基礎の徹底ですがこれは浪人してその大切さを痛感しました。大切なのは難しい問題を解けるかではなく、皆が取れる問題で失点しないことです。
私は医学部志望でしたが、浪人しても難しいことは何1つしていません。誰でも持っているような問題集を何周もして、上滑りが起きていると感じた時は先生方と相談してすぐに基礎に戻りました。
基礎を徹底すれば自然とそこにプラスαが乗って合格点を取ることができます。高校生の時に基礎を固めておけば現役である程度の大学には合格できるだろうし、仮に浪人することになっても浪人してからの伸びが違うと思います。

私が今年全落ちして3浪目に突入したとしても教科書とその傍用問題集から始めます。周りが重要問題集などを解き始めると自分もやった方がいいと思いがちですが、その1つ前の問題集がこなせていないと思うならそちらをやるべきです。その中で分からない問題があったら必ずその日のうちに先生に聞いて解決してください。
また模試の解き直しについてですが、私は模試をペースメーカーにしてそれに向けて学習計画を立てていました。解き直しを徹底してほしいのは自分の弱点を克服するためというのも勿論ありますが、単純に模試の受験料が高いから何度も解いてほしいです。
そっちかい!と思われるかもしれませんが、私の時給で行くと7.7時間、汗水垂らしていろんな人に頭を下げてやっと1回のマーク模試を受けることができます。繰り返し解かないともったいないです。
そう言う私も高校生の時は「来週進研模試なの?」というフレッシュな驚きを毎回味わっていましたが、浪人してからは元を取ろう精神がプラスに作用して1ヶ月前からそれに向けて計画を立て、模試の後は間違えた問題の分析とどうしたら間違えなくなるか、また今後の学習の方針を先生方と相談して決め、時間をおいて3回解き直しました。
今年の自治医大の数学の格子点の問題も、全統マーク模試と同じ図形のものだったのでそれを思い出して確実に取ってくることができました。何が本番の自分を助けてくれるかはわかりません。
高校生の時の私のようになんとなくで勉強していると、どこかで見たことはあると思いつつも結局解ききれずに終わってしまいます。1度見てしまった問題は最後まで丁寧に扱い確実に自分のものにして、それを本番でぱっと引き出せるように繰り返すこと、地味なことですが本当に大切だと思います。
私が今回合格した自治医大や防衛医大は、卒後の義務を果たせば6年間の学費が一切かかりません。自治医大は全寮制で奨学金制度も充実しているので生活費も困らず、防衛医大は全寮制で生活費もかからない上、給料まで支給されます。自分が頑張れば他に何もなくても進学できる道がたくさんあります。勉強すれば人生を切り開くことができます。
私は先生方とよく「人生を変えたい」という趣旨の話をしていました。周りからは「現実的に考えたら一旦就職して、それでも医者になりたかったらその後進学すべきだ」と言われていましたが、先生方は私の境遇を知っているにも関わらず、諦めろとか働いた方がいいと一度も言いませんでした。むしろ私の気持ちを優先して、私の学力だけでなく今の状況や弟妹の人生までもを鑑みて、どうしたら幸せに生きていけるかを一緒に考えてずっと支えてくれました。
その結果、一度は進学自体を諦めそうになった私が医学部に合格することができ、幼い頃からの夢であった医師になるための一歩を踏み出すことができました。あの時、諦めて就職していたら私の人生は全く違うものになっていたと思います。その道で何かしらの成功を得られたとしても、心のどこかで進学する人を羨んで、うまくいかないと何でも環境のせいにして諦める人間になっていたと思います。
この塾に来なかったら私の合格はありませんでした。先生方のおかげで人生を変えることができたと断言できます。自治医大での清掃のアルバイトを見つけ、ごみを拾い掃除をしていた私が、同じ場所で今度は白衣を着て、苦しんでいる人を救える立場になること。これは未だに信じ難く本当に実感が湧きません。
最後に、いろんな環境に置かれた人がいることと思いますが、自分のやりたいことを諦めないで欲しいです。環境は高校生の力ではそう簡単に変わりません。
自分にはそれを叶えたい強い思いがあるのに自分の能力以外の要因が妨げとなる場合、周りの大人に頼ってください。子どもでいていいうちに、頼れる人がいるうちに、たくさん頼ってください。きっと力になってくれるはずです。

受験は様々な選択をしなければならないし先が見えずに不安になることもあるかと思いますが、その選択が正しいと信じること、またそれが正しかったと言えるように報われるまで努力し続けることが大切だと考えます。 これから受験に挑戦される皆さんのご健闘をお祈りいたします。
【自治医科大学 医学部に合格した他の卒業生の体験記】
「医学部合格のための選択」
宇都宮女子高卒 鈴木郁華さん
「合格するまでの『道』」
作新学院卒 和久井萌音さん
服部さんは、高校2年生の半ばから1年以上、ご家族の介護をして寝る時間も満足に取れない日々を過ごし、高校卒業後は、生活費に加えて大学進学のための費用を自ら用意するために、働きながら受験勉強に取り組んでいました。「受験を漢字一文字で表すと?」との質問に「省(かえりみる)」と答え、高校生活とその後の2年間で人生に関しての価値観が大きく変わったということですが、ほとんどの人が大学に進学すること自体を途中であきらめてしまうような環境でも、全てを受け入れた上で頑張り続ける彼女と「志望校合格」という目標を共有することが出来て、私たち講師も本当に幸せでした。